「暁の光」 ★ 暁月×真奈
「あッ、暁月、……暁月ッ……!」
真奈の声は恐怖に震えた。当然だ。当たり前だ。
まさかこんなことになるなんて、思ってもいなかったのだ。
ぶつけるとは言っても。
「やっ……っく……!」
痛がったらやめてくれる。泣いたら慰めてくれる。
いつもの、暁月なら。
でも。
「――――んんんっ……!」
乱暴に口が塞がれた。荒々しいそれは愛撫ではない。本当に、口封じのために。
それだけのためのキスは苦い血の味がした。
「あか……っ、……!」
裸に剥かれなかったのは、どうでもいいからだ。
身体中を愛されないのも同じだ。
だって、「ぶつける」ためだから。
そして、真奈も痛いとは言いたくなかった。
暁月がやめてしまうかもしれないから。
「一番甘い、もの」 ★ 秋夜×真奈
「水面の月」 ★ 翠炎×真奈
「紅匂う」 ★ 雅刀×真奈
いきなり飛ばされた場所、戦国時代で、私は「毘沙門天の御使い様」なんて言われて、何だか物凄く大事にされている―――されていた。
いや、今もたった一人を除いて、かなり大事にされていると思う。
たった一人……そう、雅刀を除いたら。
戦国時代にやってきてから、既に数カ月。
現在、真奈は戦の準備に騒がしくなるという小島家を出て、刀儀の家に居候していた。
艶乃が日々通ってくれて不自由はない。
それに、主に瑠璃丸と小さな家事をして過ごす日々はとても楽しかった。
(……雅刀とは相変わらず、だけど)
楽しい日々に、そこだけは懸念材料で、真奈はこっそりとため息をつく。
瑠璃丸に言わせると、雅刀はとても女の人にモテるらしいのだが……。
(絶対、絶対絶対嘘だーッ!)
全力でそう思う真奈である。
だってそうだろう、口は悪いし、とことん無愛想で、態度だって刺々しい。
最初の頃の暁月だって、これほどひどくはなかった。
そう思うと、少し不安になってくる。私、何かしたかな……?
「水蜜桃」 ★ 瑠璃丸×真奈
「かわいいひと」 ★ 弥太郎×真奈
「不器用な指先」 刀儀×真奈
「胸に咲く花」 政虎×綾姫
「夢の終わりに君と逢う」★ 勘助×真奈
「……ダメ、勘助」
「何故」
我が物顔に真奈の身体を辿り始めた勘助を真奈は制するが、勘助に堪えた様子はない。どこか面白そうに聞いてくる。
「まだ、来たばっかりだよ。ダメ」
「来たばかりで愛し合って、何がいけないというのだ……?」
「あっ…愛し合うって……!な、ならせめてシャワー浴びさせてよ……!」
ぬけぬけと言い放つ男に絶句しつつ、真奈は妥協案を提示する。
電車の中はとても混み合っていて、季節を無視して暑かった。きっと汗もかいているだろう、と思ったのだ。同時に、我ながら、なんてこの男に甘い条件だろうと思いはしたけれど……。
勘助は鷹揚に頷いた。
「―――いいだろう。行くぞ」
ひょい、とばかりに抱きあげられて、真奈は狼狽する。まさか?
「へっ?ちょっと……!まさか、一緒に入る気……っ?」
真奈の予感は的中した。勘助はしれっと頷く。
「オレはお前といる時間を一秒でも無駄にしたくないのでな」
「ま、待って……!」
★は大人向け描写があります。
また、ネタばれ・捏造がたくさんございます。
それでもよろしい方のみ、お楽しみいただけたら幸いです。